庭の愉しみ方

縁側に腰掛け、コーヒーと読書。ウッドデッキでBBQ。ライトアップされた植栽観賞。
庭の愉しみ方は多岐にわたります。

今年の旅先で、私が夢に描く庭の愉しみ方にまた一つ、選択肢が広がりました。
時は夏のひとときに遡りますが、ささやかな旅気分を味わいたく、隣県熊本の地を訪れました。
当社にとって、植栽の仕入れを行う場でもある阿蘇の大自然に触れた後は、有明海の方へもうしばらく車を進めて、玉名市の宿に。

畳敷きの部屋の先には、源泉掛け流しの半露天風呂を備えた庭が設えてありました。
面積的に決して広くはありませんが、開放感と安心感に程よく包まれた素敵な空間がそこにはありました。

板塀によって周辺一帯からの視線を遮りながらも、少し顔を上げれば緑一面の雄大な山並みを一望できます。
目の前には剪定された数種類の植栽が植えられており、陽が落ちればライトアップされて、光と陰が佇まいを際立たせます。
上を見れば星光に満ちた夜空が広がり、静寂だからこそ聴こえる自然の音を感じました。
時の移ろいとともに庭の表情が変わるたび、気づけば何度も湯に身を預けていました。

屋外空間だからこその開放感と、プライベート空間だからこその安心感。
両者をちょうどよく満たしてくれる点は、暮らしにおける庭の魅力の一つであると感じます。
庭に寄せる想いは人それぞれですが、暮らしのつくり手として、住まい手に寄り添った愉しみ方を提案できる人でありたいと思います。
私の夢は膨らむ一方です。