~腐りにくい木材~

2025.08.14 建築 NEW

作成者:井上 美保

 今年の夏は昨年にも増して更に暑くなり、熱中症アラートも頻繁に警告されていますが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。さて、今回は一般的な住宅のリフォームでは無く、店舗のリフォームのお話しをさせて頂きます。
 夏と言えば、海や山のレジャーを楽しむ季節ですね。今回、杵築市の住吉浜リゾートパーク内に有る「マリンショップBUZZ」様のリフォーム工事を請け負わせて頂きました。ウインドサーフィン等のマリンスポーツを楽しめるお店です。

 「住宅だけでは無いの?」とお声が聞こえてきそうですが、住宅以外にもご依頼が有れば、大分県の地域活性化にも貢献したく、ご相談に応じております。
 今回は古くなった木造の店舗を取り壊し新たに建て替え、また、コンテナの塗装と一部コンテナ内の内装工事を行いました。まず、木造部分の建て替えのお話しを頂いた時に、海沿いで、雨ざらしの場所で木材を長持ちさせたいという難しい内容に、どのようにして施工をしていくかを社内で検討致しました。台風が来た時に、店舗が吹き飛んだ事も有るそうで、雨にも風にも強い店舗を設計する必要がありました。

 雨風にさらされる場所では、木材の選定には注意が必要です。通常の木材では、雨ざらしの状態だと長くは持ちませんので、防腐・防蟻塗料を加圧注入した木材を選定しました。これは、白蟻にも強く通常の木材より重くて丈夫な木材で、その名は、「ハウスガードシステム」というものです。
 いよいよ工事が始まり、店舗を解体し、台風の時に飛ばないように基礎部分にアンカーボルトを入れモルタルで固めて木材をしっかり固定しました。今後、台風が来ても大丈夫なように、とても頑丈な店舗があっという間に出来上がりました。

 Afterの写真はいかがでしょうか。見るからにがっちりして見えると思います。
屋根部分は、よしずを敷き、暑さを軽減できるようにしています。通常の屋根の施工では、台風時に吹き飛ぶぐらい風圧の影響を受けるので、敢えて屋根は作らず、よしずとブルーシートを敷いて、土のうで固定しています。よしずとブルーシートを使用したメリットは、軽くて、取り外しし易い所と、通常の雨なら防げる所です。台風が来ると分かった時点で、ブルーシートを木材に巻き取り、よしずも取り外せるようになっており、機能的な工夫もしっかりしています。

 オーナー様には、大変頑丈な店舗になったと、この上ないお喜びのお言葉を頂戴いたしました。この経験を糧に、今後も一層精進していく所存でございます。
 猛暑が続いておりますが、マリンスポーツをご体験されてはいかがでしょうか。
「ハウスガードシステム」もぜひご覧いただきたく存じます。